
※2025年12月に取材・執筆した内容をお届けします。
今年も残すところあとわずかとなりました。
私たち造園会社にとって、12月は特別な季節です。
雪が舞い始める中、現場での剪定や伐採作業等と並行して、もう一つ大切な「年越しの仕事」が動き出します。
それは、新しい年神様をお迎えするための「門松(かどまつ)づくり」です。
造園の起源には、「神社の神主や僧侶が自ら聖域を整え、庭を維持管理していた歴史にある」といわれます。
かつて神職が担っていた「神様を迎える場所を清め、整える」という役目。その精神を現代に受け継ぐ造園職人にとって、門松づくりは単なる正月飾りではありません。
新しい一年の福を運ぶ「年神様」をお迎えするための、神聖な依り代(よりしろ)を仕立てる。神社から始まったとされる造園業としての誇りを胸に、当社の精鋭職人たちが一対の門松にどれほどの情熱と手間を注いでいるのか、その舞台裏を追いかけてみました。
今回から全4回にわたって、当社のこだわりが詰まった門松づくりの工程をご紹介します。
第1回:【準備】「門松の顔」となる竹を磨き、切り出す
一本の竹に命を吹き込む、すべての始まりの工程です。
竹は主役というより、土台の後ろに添えられた「背筋」のような役割を担っています。
竹磨き
もみ殻を使い、手作業で竹の汚れを水洗いします。

竹磨きの知恵:
「なぜ、もみ殻(米の殻)で竹を磨くのか?」 それは、竹の表面に付着した油分やアクを、竹肌を傷つけずに優しく落とすためです。もみ殻の適度な硬さが、洗剤ややすりでは出せない「青竹本来の鮮やかな輝き」を引き出してくれます。
竹の切断
熟練の職人が、節の位置や竹の傾きを見極めながら、一本一本丁寧に切断していきます。

天高く、まっすぐに:
切り口が天まで突き抜けるような清々しい仕立てです。滞りなく物事が進むようにという願いと、竹の生命力を最大限に活かした、潔く美しい「顔」に仕上げています。
笑い口
磨き上げた竹に、門松の命となる「笑い口(そぎ)」の切断を施します。

「笑い口」の由来:
竹の切り口を斜めにする形は、その見た目から「笑い口(そぎ)」と呼ばれます。新しい一年が、皆様にとって笑顔の絶えない明るい年になりますように、という願いが込められています。
門松づくり〜土台編〜【第2回】
※2026年1月15日 12:00 公開予定です。
第2回につづく

